湿度とは、大気中に含まれる水蒸気の量を数値で表したものです。一般的に天気予報等で使用されている『湿度◯%』は『相対湿度』のことで、ある気温で大気中に含むことのできる最大量の水蒸気を100として、100分率で表した数値です。
湿り空気中の乾燥空気質量と水蒸気質量の比を『絶対湿度』といい、乾燥空気1kgに対して何kgの水蒸気が存在するか表しいます。
暖かい空気は、多くの水蒸気を含むことができますが、逆に冷たい空気は暖かい空気よりも水蒸気は多く含むことができません。
例えば、乾球温度(気温)25℃で相対湿度(湿度)50%の場合、絶対湿度(水蒸気量)が同じなら乾球温度が15℃まで下がると相対湿度は95%になり、14℃で相対湿度100%に達します。露点温度となった空気は、それ以上の水蒸気を含むことができず結露を起こします。

一般的に結露といえば、冬場の室内暖房で窓ガラスやサッシに結露がおきる冬型結露です。目に見える物だけなら処置は簡単ですが、冬場の住宅では石油系暖房機器の燃焼で水蒸気が発生し、外部壁面の室内側に防湿層がない場合(防湿層の欠損や施工不良等)、室内側に発生した水蒸気が壁内に侵入し、外部に向かって温度が下がり(温度勾配)露点温度に達すると『内部結露』を起こしてしまいます。内部結露が起きると壁内に害虫やカビが発生しやすくなり木材や断熱材の、劣化、腐食で住宅の寿命を短くしてしまいます。近年ではエアコンの普及により、冬型結露とは逆の夏型結露も起きやすく、よく冷やされた室内に外部の高温多湿の空気が壁内に侵入し温度勾配で露点温度に達し内部結露が起こる現象です。
日本の夏場は湿気の多い国で、昔からの伝統的住宅は、湿気が溜まらないように床下を高く風通しを良くし、壁は湿気を吸収しやすい土壁で、小屋裏や天井は高く熱気を上部に逃がし生活空間を過ごしやすくしていました。
無理に自然に逆らわず上手く自然と過ごしていたように感じます。
藤原でした。